5月, 2022年

いまこそ必要な、ヘルスリテラシー

2022-05-27

いまこそ必要な、ヘルスリテラシーコロナ禍が長引く中、ますます “ヘルスリテラシー” が求められる時代になりました。しかし、「日本人はヘルスリテラシーが世界の中で低い」というデータも上がっています。
ヘルスリテラシーは、正しい健康情報を選び、自らの健康を向上させる能力です。自分や家族の健康と命を守るために医療情報の選び方、活用の仕方について、婦人画報2022年6月号がとり上げていました。

新型コロナウイルスの感染対策を継続するなか、医療の現場を逼迫させないためにも、溢れる玉石混交の情報から信頼できるものを取捨選択する力が求められています。
ヘルスリテラシーは、正しい健康情報を選び取り、意思決定をし、自らの健康を維持、向上させる能力のこと。もし、がんなどの命に関わる病気にかかったとき、「怪しい医療に引っ掛からない」と断言できるでしょうか?教育レベルや収入が高い人ほど、怪しいがん治療にだまされやすいという研究もあるのです。


いまこそ必要な、ヘルスリテラシー残念ながら日本人のヘルスリテラシーは、諸外国と比べ “低い”という調査結果が出ています。

「日本でがん情報をネット検索すると、上位10のうち半分は怪しい。特に医療情報は広告が多すぎてニセ情報が多いので気をつけてほしい。
がんは、命に関わる病気。むやみに信じることは危険です。自分の健康と命を守るために情報を取捨選択する力が大切です」と日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科の勝俣範之教授は話しています。

インターネット上には健康・医療にっいての膨大な情報があります。もちろん参考になる情報もありますが、そうではないものも少なくありません。

「標準治療、保険診療などのエビデンスの話は、面倒でわかりにくいかもしれません。そして信頼できる情報には、聞きたくない信じたくない話も含まれます。
医療情報は命に関わります。勇気をもって正しい情報と向き合ってほしいと思います」と勝俣教授は語っています。

配信 Willmake143

脳の前頭葉を鍛えれば若返る!

2022-05-24

脳の前頭葉を鍛えれば若返る!週刊誌サンデー毎日が「幸福の100年を生きる」と題した特集を始めました。
執筆は、30年以上にわたり、およそ6000人の高齢者を診てきた高齢者医療の専門医である和田秀樹先生です。同誌2022年5月29日号では、脳の中で最も早く老化し始める前頭葉をとり上げています。

和田先生はこう述べています。

「使い続けていたら歩行機能も認知機能もたいして落ちないのに、使っていないと衰えてしまう。これが老化予防の大前提だと理解してほしい。
使い続けることが運動機能も脳機能も老化予防の決め手なのだが、歳をとると残念ながらその意欲が落ちてしまう。男女ともに問題になるのは、前頭葉機能の低下だ。

前頭葉というのは人間の大脳半球の前のほうの部分で人間だけが発達していて、かなり大きな部分なのだが、長年、何の機能なのかわからなかった。
言語機能を担うのは側頭葉で、これが意外に衰えないから歳をとっても難しい本が読める。数学や図形の問題を解くのは頭頂葉の機能で、高齢でも「数独」が当たり前にできる。
私は年間100枚くらい脳のCTやMRIの画像を見るのだが、40代くらいから前頭葉が縮み始め、70代ともなるとはっきりと萎縮がわかる。この前頭葉の萎縮が加齢による意欲低下の重要な原因と考えていいだろう。

前頭葉というのは新奇なことを行うときに働くものだと考えている。逆にこの機能が落ちてくると生活がルーティン化、前例踏襲型になってくる。
早い人だと40代くらいから前頭葉の老化が始まるわけだが、このくらいの時期からそのようになる人は珍しくない。たとえば行きつけの店しか行かなくなるとか、同じ著者の本しか読まなくなるとかだ。
前頭葉を使うためには、その逆をすればいいことになる。たとえば、普段行かない店で食事をする。毎日ランチで入る店を変えてみる。普段読まない著者の本を読んでみるといった具合に。


脳の前頭葉を鍛えれば若返る!海外では、大学に入ると教授に喧嘩を売るような人が優秀とされるのだが、日本ではノートを一生懸命取る人が優をもらう。
会社でも新奇なことをやる人より、上司の言うことを聞く人のほうが出世しやすい。

要するに、これまでの人生で前頭葉を使ったことがない人が多いのがこの国の特徴だ。だから、ちょっと前頭葉を使う習慣をつけると若い人より前頭葉が働き、面白い高齢者になれると意識してほしい。
つまり前頭葉は若返るのだ。もちろん、これによって意欲の老化も防げるはずだ」。

配信 Willmake143

高齢者うつ

2022-05-20

高齢者うつ週刊文春2022年5月26日号は、「高齢者うつのサインを見逃すな」という記事を載せています。
5月、渡辺裕之さん(享年66)、上島竜兵さん(同61)と、60代芸能人の自死が相次ぎました。メンタル面の要因が指摘されています。


高齢者うつ高齢者のうつ病人口は年々増加傾向にあります。厚生労働省の「患者調査」(平成29年)によれば、躁うつ病を含む気分障害の患者のうち、35%を65歳以上が占めています。
慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室教授の三村将医師は、「高齢者のうつは、60代、70代が最も多い。およそ10人に1人がうつを抱えていると考えられます」と語っています。

また、順天堂大学順天堂越谷病院メンタルクリニック教授の馬場元医師は、「うつ病は人と会う頻度が多いほどかかりにくくなる。そのため社会的孤立を防ぐことが重要ですが、コロナ禍で人との交流が制限されたことで、うつになる高齢者が増えてきています」と指摘しています。

高齢者の場合、どんな人がうつに陥りやすいのか。「『喪失体験』をきっかけにうつになる人が多いです。高齢者にとっての一番の喪失体験は、身近な人の死。中でも配偶者の死がストレス要因としては最も強い。
男性は退職後、女性は子供が独立した後に、それぞれ目標や生きがいを失うケースがある。そして健康の喪失。高齢者は持病を抱えていることも多く、それだけで気落ちする。
昔はゴルフでラウンドを回れたのに最近は回れなくなった、といった体力や気力の低下が原因でうつになる人もいます」と三村先生は述べています。
うつのサインにはどんなものがあるのか。一番自覚しやすいのが、睡眠障害と食欲の低下。朝早くに目が覚めて二度寝が出来ない早朝覚醒や、夜中に何度もトイレに起きてしまう中途覚醒などの睡眠障害が起きます。
食が細くなった、ご飯を美味しく感じなくなったというのも要注意だそうです。

そもそも、高齢者のうつは予防できるのか。規則正しい生活や運動といった生活習慣が第一ですが、食事にも配慮できる点はあります。
青魚やナッツ類に多く含まれるEPA、DHAといったオメガ3不飽和脂肪酸がうつ病に効果があると言われています。
内村医師は、「うつは、誰でもなると思ったほうがいい。しかし、症状が重くなるのを防ぐことはできる。そのためには周囲がサインを見逃さないことが重要です」といっています。

配信 Willmake143

頻尿

2022-05-15

頻尿60代以上の排尿に関する悩みのなかで、夜間頻尿は第1位、昼間の頻尿は第2位を占めています。
旅行に行けない、眠りが浅いなど、QOL(生活の質)を左右する深刻な症状です。なぜ加齢とともに頻尿が増えてくるのかについての記事が、週刊朝日2022年5月20日号に載っていました。



頻尿2003年に行われた大規模調査のデータによれば、頻尿の推定患者は3300万人(昼間)、4500万人(夜間)です。現在ではその数はさらに増えていると考えられます。
通常、成人の1日の尿量は約1500ccです。膀胱は300〜400ccの尿をためることができて、排尿の際には残りなく排出できます。単純計算で、トイレの回数は1日5回程度ということになります。
頻尿は昼間に8回以上行く場合、夜間頻尿は就寝中に1回以上行く場合と定義されています。しかし、夜、1回トイレに起きるという人は少なくないため、臨床の場では、2回以上を夜間頻尿とすることが多いそうです。
頻尿に悩む人が増えてくるのは50代後半からです。膀胱の機能低下だけでなく、尿の通り道である尿道も加齢によって働きが十分でなくなることが多いためでもあります。尿道には括約筋があり、締めて尿をこらえる/緩めて排尿するという働きをしています。

括約筋の締める力だけではなく、膀胱との協調運動がスムーズでなくなることが、頻尿などの過活動膀胱症状に関与しているのではないかと考えられています。頻尿や夜問頻尿は、確かに高齢になると増えてきます。


頻尿しかし、男性なら前立腺肥大症、女性なら過活動膀胱など、原因となる病気があることが多く、適切な治療を受ければ改善できるものがほとんどです。
『年だから仕方がない』と考えるのではなく、生活に支障が出るようになったら、かかりつけ医に相談することをおすすめしますと記事には書いてありました。

配信 Willmake143

前立腺がんの発見と治療

2022-05-01

前立腺がんの発見と治療前立腺は男性のみにある生殖器の一つです。前立腺の代表的な病気として、前立腺肥大症とともに前立腺がんがあります。
いずれも加齢とともに起こりやすくなります。両者の違いについての記事が2022年4月23日付の日経新聞に載っていました。

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むようにあります。前立腺の代表的な病気といえば、前立腺肥大症と前立腺がんです。
いずれも男性ホルモンや加齢が関係し、50歳を超えると発症頻度が高まるといった共通点があります。
前立腺の肥大は高齢になれば程度の差こそあれ、多くの人に見られます。前立腺が肥大し尿道が圧迫されて狭くなると、尿が出にくくなる、トイレに行く回数が増える、排尿後もすっきりしないなどの症状が現れます。
生活に支障を来すようなら治療の対象となります。ただ、前立腺肥大は良性の疾患で、強い症状がなければ治療不要のこともあるそうです。

一方、前立腺がんは悪性の腫瘍で、進行すると骨や臓器に転移します。男性のがんとしては2位の胃がんを上回り第1位。2018年には約9万人が罹患しています。
早い段階で治療すれば他のがんより生存率が高く、早期発見・治療が何よりも重要となります。もっとも、初期には症状がでにくく、自覚症状がきっかけで発見されることが少ないそうです。
前立腺がんの発見には腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)の計測が有効です。「PSA検査は、初期の段階で前立腺がんの可能性をチェックできる有効な検査法。50歳を超えたら、1年に1回程度は検査を受けてほしい」と北里大学医学部泌尿器科学教室の田畑健一講師は強調していました。


前立腺がんの発見と治療

配信 Willmake143

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