7月, 2021年
血栓症リスク
女子栄養大学の月刊誌・栄養と料理の2021年8月号の特集は「血栓症を防ぐには?」でした。
新型コロナウイルス感染症と「血栓」のかかわりについて関心が高まっています。
本来、血栓は止血の役目を担うものですが、体の状態が悪くなると「病的血栓」が増え、「血栓症」を引き起こします。
血栓とは、心臓や血管内にできる「血のかたまり」。血管壁が傷ついたときに出血を防ぐためにできるもので、血栓の本来の役目は「止血」です。
新型コロナウイルス(以下、コロナ)に感染すると、「血管の炎症」が起こって血管が傷つき、血液をかたまらせる働きが強くなり、血栓ができやすくなります。
そのメカニズムは正確にはわかっていませんが、炎症による血管の損傷から血管を守る防衛反応だといえます。
通常、止血の目的でできた血栓は、役目を終えるととけてなくなりますが、なんらかの原因で血栓ができやすくなって生じる「病的血栓」もあって、血管をふさいで病気を引き起こすことがあります。
それを「血栓症」といいます。脳梗塞や心筋梗塞、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)などです。
脱水状態になると、血液中の水分が不足して血液粘度が高くなって血流の流れが悪くなり、病的血栓が作られやすくなります。動脈硬化が進んだ状態に脱水が重なると、さらに血栓ができやすくなります。
夏場の脱水に起因する脳梗塞を俗に「夏血栓」と呼びます。動脈硬化のリスクになる高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある人や、体内の水分量が少ない高齢者は特に要注意です。こまめな水分補給を忘れずに。
コロナワクチン接種の副反応として、非常にまれに血栓症が起こることが確認されています。原因は研究段階でが、現時点では100万回に12件ほど(約0.001%)の発症率のため、やみくもに心配する必要はありませんと特集記事には書いてありました。
配信 Willmake143
子どもの浴槽での事故を防ぐには
子どもは声や音を立てずに溺れることがある―。
溺れる時は助けを呼びながら手をばたつかせるイメージがありますが、日本小児科学会のチームが未就学児の保護者に浴室で溺れかけたケースについて尋ねたところ、8割以上が声を出さず、3割が音を出さなかったということです。
幼い子どもにまつわる浴室での水のトラブルについて、特徴と対策をまとめた記事が2021年7月21日の毎日新聞に載っていました。
子どもが溺れる場合、海や川を想像しがちですが、意外にも浴室での発生が多いということです。
消費者庁によると、2010年12月〜2021年5月に医療機関から寄せられた14歳以下の子どもが溺れたケース100件のうち、74件が家庭での入浴中に起きていました。
また、厚生労働省の2019年の人口動態統計によると、不慮の溺水で亡くなった0〜4歳は17人。うち浴槽で溺れたのが13人に上っています。
日本小児科学会のチームの責任者を務める佐久総合病院佐久医療センター(長野県)の坂本昌彦医師はグラフィックデザイナーらと協力しながら子どもの医療情報をイラストなどを使って分かりやすく伝える活動をしていて、子どもが静かに溺れる事例について全国の学会メンバーと協力して2019年に実態調査してみました。
配信 Willmake143
ワクチン基礎知識
新型コロナウイルスのワクチンは、開発時の臨床試験やその後の研究で、重症化の抑制や感染予防に高い効果があることが示されました。
ただ、開発時にはまだ流行していなかった、感染力がこれまでよりも強いとされるインド由来の変異株(デルタ株)が、日本をはじめ世界に広がりつつあります。
この新たな変異株にもワクチンは効くのか。接種後はどのくらいの期間、効果が持続するのか。ワクチンの有効性について疑問点をまとめた記事が2021年7月7日の毎日新聞に載っていました。
米ワシントン大は、論文や記事など入手可能なあらゆるデータを使って、ワクチンの変異株に対する有効性を推計し、毎月、公表しています。
6月に公表された推計によると、日本国内でこれまで主流だった英国由来の変異株(アルファ株)に対し、感染しても発症を防ぐ効果はファイザーが91%、モデルナが94%アストラゼネカが74%。
感染そのものを防ぐ効果は、ファイザーが86%、モデルナが89%、アストラゼネカが52%だったそうです。
世界中で新たな脅威となりつつあるデルタ株などに対し、発症を防ぐ効果はファイザーが81%、モデルナが83%、アストラゼネカが53%。
感染を防ぐ効果は、ファイザーが77%、モデルナが79%、アストラゼネカが47%でした。
ただ、イスラエル保健省によると、ファイザーのデルタ株の感染予防効果は64%といい、調査によって幅があるとみられています。
ただ、英国のイングランド公衆衛生局は6月、重症化を防いで入院を回避する効果は、ファイザーの96%に対してアストラゼネカは92%であると分析し、いずれも「高い効果がある」と評価しています。
ワクチンの効果は、接種後どのくらいの期間にわたって持続するか。ファイザーやモデルナのワクチンは、2回目の接種から少なくとも6ヵ月間は有効であることが、臨床試験の結果から示されています。ただ、半年後以降も有効かはまだ分かっていないそうです。
配信 Willmake143
日本生まれのスーパーフード 魚肉ソーセージ
長年、食卓で愛され続けている、魚肉ソーセージ。
味や栄養面はもちろん、保存食としてもすぐれている、いわば日本生まれの “スーパーフード” として重宝されています。
スーパーやコンビニで手軽に手に入る魚肉ソーセージの魅力をテレビテキスト版のNHKガッテン!2021年夏号で紹介していました。
魚肉ソーセージの魅力の1つが「常温で長期保存できる」ことです。
魚のすり身が練り上がってペースト状になった段階でフィルムに詰められるのですが、その後、専用の釜に入れられ、「高温高圧殺菌」処理をされます。この工程こそが、常温で長期保存が可能になる理由です。
老若男女問わず重宝される魚肉ソーセージのもう1つの魅力は、「食べやすさ」にあります。
あの独特の噛み応えと、硬すぎないフワフワの触感を作り出しているその正体は「油」です。
油には、たんぱく質同士の結びつきを妨げる働きがあります。油が入っている場合、たんぱく質同士の結びつきを邪魔するため結合が弱くなり、気泡同士がくっつき合って大きくなるため適度な弾力がありつつも硬すぎないという、魚肉ソーセージ特有の食感が生まれるのだそうです。
「常温で長期保存が可能」「食べやすい」以外にも、魚肉ソーセージには、うれしい魅力があります。
それは、体づくりには欠かせない「たんぱく質」が豊富に含まれていること。
魚肉ソーセージ1本に含まれるたんぱく質は、およそ卵1個分相当。
老年医学の専門家で、東京大学高齢社会総合研究機構・未来ビジョン研究センターの飯島勝矢教授は「筋肉の低下(フレイル)を防ぐために、魚肉ソーセージはおすすめです」と話しています。
配信 Willmake143
コロナ膝
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、膝の不調を訴える高齢者が増えているそうです。
コロナ禍で生まれた新たな悩みへの対処法の一つは、「貧乏ゆすり」だと2021年7月5日の毎日新聞が伝えていました。
健康機器メーカー「オムロンヘルスケア」(京都府日向市)が今年4月、40〜70代の1055人を対象に、外出機会について聞くと、72.2%が「減った」と回答。
70代男性は73.8%、70代女性は83.7%に上っています。また18.3%が「膝に違和感を抱えている」と答えています。
京都大付属病院の青山朋樹教授(整形外科)は、昨年春からの生活様式の変化による不調を
「コロナ膝」と名付けました。
家にいる時間が増えることで、座る時間が増える。特に、床に比べ、椅子は座っている時間が長くなりがちです。
青山教授は「長時間、同じ姿勢が続くと、膝が曲がったままになり、関節の周りの筋肉が固まる。
そうすると、動き始めるときに膝への負担が大きくなり、痛みを感じる」と解説しています。
運勣量が減り、膝関節を動かす太ももの筋肉が衰えることで、転びやすくなります。
記事ではコロナ膝を解消するためのストレッチを紹介しています。
膝に痛みがあると、動くのがおっくうになりがちですが、じっとしているのは逆効果です。
配信 Willmake143