9月, 2013年
ガムを噛みながら歩く健康づくり
NHKのきょうの健康2013年9月号に、ガムを噛みながらのアクティブかむかむウォーキングを紹介する記事が載っていました。
ほぼすべての世代の日本人は、この10年間に1日に1000歩も歩数が減っていて、特に地方では著しく減っているそうです。
厚生労働省は、なんとか失われた1000歩を取り戻せないだろうかと、今より10分多くからだを動かす「プラス10」を提案しています。
手軽なエアロビクス運動である「速歩」とからだのバランスを整え、脳にも刺激を与える「咀嚼運動」(=噛むこと)を合わせて行うことが、優れた健 康増進法として大きな可能性を秘めていると記事には書かれていました。
ガムを噛んで山に登った人は、噛んでいない人より疲労感が軽かったという報告もあるので、散歩やウォーキングの時にガムを噛むことは、転倒防止や 身体パフォーマンスの向上などによい効果をもたらすと思われると咀嚼と全身の運動機能の専門家が語っていました。
配信 Willmake143
食と栄養と口腔機能
高齢期の健康には「食と栄養と口腔機能」の3つの要素を考えることが大切だということが明らかになってきました。
シニアの健康維持には、歯の数やかむ能力、そしてしっかりのみ込める能力など、口の総合的な機能(口腔機能)が重要だということが、科学的にもよ り精度の高い研究から明らかとなっていると2013年9月26日付の毎日新聞に書いてありました。
国立長寿医療研究センター研究所長の鈴木隆雄さんが書いた“シニアのための健康術”というコラムに載っていたものです。
咀嚼するときのしっかりしたかみ合せ(咬合能力)が衰えると全身の運動機能や体力も衰える危険性が高くなり、転倒や寝たきり、最終的には死亡の危 険性も増加することが、14年間に及ぶ追跡研究でわかってきたそうです。
これらの研究結果から分かることは、シニアの皆さんにとって、おいしい食事を楽しみ、バランスの良い栄養を維持することは当然のことで、その基本 となる口腔機能(しっかりかめてしっかりのみ込めること)が大切だと鈴木さんはいっています。
配信 Willmake143
口を大きく開けて10秒間
食べ物や飲み物は、口から食道に入り、胃まで運ばれる。誤って隣の気道のほうに入ってしまうと、通常なら防御反応が起きて激しくむせ、入った食 品などを気道から外に押しだそうとする。しかし、加齢や病気でこの反応が鈍ると、食べたものが肺の中まで入ってしまう。
そんな「誤嚥」を予防する方法が2013年9月21日付の朝日新聞で紹介されていました。
口の中の感覚を研ぎ澄まして嚥下に関わる筋肉を鍛えると誤嚥が起きにくくなると慶應義塾大病院リハビリテーション科の言語聴覚士の坪井郁枝さんが 説明しています。
口の中の感覚を鈍らせないためには、歯磨きをしっかりして、口内をいつも清潔に保つことが重要だと書かれていました。
東京医科歯科大医歯学総合研究科の准教授・戸原玄さん(高齢者歯科学)は、あごからのどの筋肉を鍛えるために口を大きく開ける体操を勧めていま す。
口をできる限り開けた状態を10秒間、維持する。5回1セットで、1日2セット行うこの体操を戸原さんは日本大と共同で嚥下障害の8人の患者さん に4週間続けてもらったところ、食道の開き方やのみ込むのにかかる時間が改善したそうです。
ただし、あごの関節が痛い人には向かないと書いてありました。
配信 Willmake143
肉・脂の不足 老化早める
「健康的な食事」と聞いてイメージするのは、肉と脂の少ない「粗食」ですが、高齢者ほど肉などの動物性たんぱく質や脂質を十分に食べるべきだと いう人間総合科学大学教授の熊谷修さんの話を2013年9月15日付の朝日新聞が紹介しています。
老化と栄養の関係を研究してきた熊谷さんによれば、肉や脂を控えた粗食が健康に良いとされるのは、心臓病や脳卒中の原因となるメタボ予防が必要な 40〜50歳代の中年期までで、60歳を超えてくると粗食は次第に健康にとって害が大きくなるそうです。
「老化は、人間の体からたんぱく質が抜けて、乾いて、縮んで、ゆがんでいく過程。たんぱく質不足は、老化を早め、体の老化が進むと、転倒して寝た きりになるリスクが高くなるし、心臓病などの病気のリスクも高くなるので、老化を少しでも先延ばしするには、筋肉や骨の材料となるたんぱく質が欠 かせません」と熊谷さんは言っています。
医学的にも高齢者の低栄養は注目されています。寿命が延びた現在、元気に生活を楽しむには食事が大切です。
最近は、硬さを工夫した栄養価の高い食品も売っていますので、食欲がなくても工夫して食べましょうと書かれていました。
配信 Willmake143
歯の寿命
2013年9月7日の日経新聞の健康生活というコラムに「歯の寿命」という文章が載っていました。書いているのは、国立病院機構東京医療セン ター歯科口腔外科医長の大鶴洋さんです。
歯の寿命に直面するのは、むし歯が歯根に向かって深く進んでしまった場合、歯根の先端がうんでしまい、治療しても症状が落ち着かない場合、歯が縦 に割れてしまった場合、歯周病が進行してグラグラしてきた場合の4つが考えられるそうです。
歯科において治療方針として抜歯を決める場合は、この4点が理由になるが、それに加えて年齢や周囲の歯とのバランス、抜歯後の治療方法を含めて総 合的に考えることになると書かれていました。
「痛みや腫れの症状が続くとつらいので抜歯に対して諦めがつくかもしれないが、症状が落ち着いてしまうと、ちゅうちょする人も少なくない。歯を1 本でも多く残しておきたいのは、歯科医師も同じ思いなので、すぐに決心ができないかもしれないが、長い目で見て考えてほしい。
歯を残すためには、面倒と感じる時もあるかもしれないが、かかりつけの歯科を持って正しい歯磨きと食生活を続けていただきたい」と大鶴さんは言っ ています。
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