2月, 2020年
のど力
婦人画報2020年3月号は「100歳佳人へのウェルネスレッスン」というコラムで “のど力” を取り上げていました。
のどの衰えは、気づかないうちにやってきて60代から急激に進行します。肌や血管が老化するのと同様、のども加齢とともに衰えます。
「のど力」低下は肺炎のリスクを上げ、健康寿命にも影響します。
40代から始まるといわれているのど力の低下。食事でむせる、咳き込む、咳払いが増えた、声がかすれてきた……などはのどの老化が始まっている証拠。
「のど力の低下は、気づかないうちに “隠れ誤嚥” を起こし、誤嚥性肺炎のリスクが高まることが問題になっています」と池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生は述べています。
誤嚥とは、本来食道に行くべき食べ物や唾液が気管に入ってしまうことです。「誤嚥は食べ物よりも、むしろ唾液の誤嚥のほうがはるかに多く、危険です。
飲食物はむせるなどの反射が起こりやすいのですが、唾液は就寝中に気管に侵入します。
特に更年期以降は、唾液量が減少し、口が渇きやすく、口腔内に雑菌が増える年代。口腔内をきれいにする免疫物質が減るので、口腔内細菌を処理しづらくなります。
就寝中、気づかないうちに細菌の混じった唾液の誤嘸を繰り返しています。最初は症状が軽くても、これを繰り返すうちに重症化し、誤嚥性肺炎へとつながるのです」と大谷先生は解説しています。
大谷先生によれば、「誤嚥性肺炎を防ぐには、まず肺炎球菌ワクチンの接種。あとは口腔ケアも大事。歯磨きやフロスで口腔内細菌を減らすことも重要です。
細菌が減れば、唾液を誤嚥しても肺炎は起こりにくくなります。そのうえでのど力を維持するトレーニングやケアを行いましょう。のどの老化を食い止め、のどを鍛えて強くするには、
?唾液量を増やしてのどをうるおす、
?のどの筋肉を鍛えて飲み込む力を高める、?咳反射がスムーズに起こるようにする、
おもにこの3つがポイント」だそうです。
配信 Willmake143
脳過労
パソコンやスマートフォンの使い過ぎで、脳が過度に疲弊している人が増えているという記事が2020年2月22日の日経新聞に載っていました。
ここ10年ほどで働き盛りの30〜50代が『もの忘れ外来』を受診するケースが増えているそうです。
パソコンやスマホの使用頻度が高まり、文字や写真、動画などの情報過多によって脳が疲弊し、「脳過労」の状態になっていることが大きな要因と考えられています。
私たちの脳は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を通じて情報を「入力」し、前頭葉と呼ばれる場所で情報を取捨選択して「整理」を行い、言葉や行動として「出力」しています。
入力される情報量が多くなると、処理しきれずに氾濫し、脳がゴミ屋敷のような状態になり、そのまま情報を入力し続けると脳過労を引き起こすのだそうです。
脳神経科学が専門の早稲田大学の枝川義邦教授によると、脳過労になると前頭前野の機能が低下し、「単純なミスが増える、物覚えが悪くなる、イライラして怒りっぽくなる、興味がわかないなどの問題が生じてきます。これらは初期の認知症や抑うつ状態の症状に似ている」そうです。
仕事でパソコンを使つて複数の作業をこなしたり、家事を同時並行で行ったりしている上に、息抜きにスマホでSNS(交流サイト)を見たり、ゲームをしたりしているという人は要注意です。
脳過労を改善・予防するためには、「トイレや浴室、寝室にはスマホを持ち込まない、食事中や会話中にはスマホを出さないといった工夫で、手放す時間を増やすといい」と枝川教授は述べています。
また、「皿洗いや拭き掃除などの単純作業や、ゴルフの素振り、散歩など単調なリズム運動を行って、自然とぼんやりした状態をつくることも大切だ」と助言しています。
配信 Willmake143
フレイル健診の義務化
4月から75歳以上を対象に、従来の健康診断に加えて「フレイル健診」が義務化されます。フレイルとは「衰弱」を意味する言葉ですが、一般にはまだ馴染みが薄い言葉です。
しかし、「フレイルを放置すると死亡率や認知症の発症リスクを増加させるなど、怖ろしい事態を引き起こす可能性がある」という記事が週刊ポスト2020年2月14日号に載っていました。
国内で先駆的に「フレイル外来」を実施する、ふくろうクリニック等々力の山口潔院長は「フレイルは馴染みがない概念ですが、現在75歳以上に急増中で、全国で350万人が該当し、今後も増え続けると考えられています。
決して他人事ではなく、高齢社会の“新国民病”と呼べる症状なのです」と述べています。
4月から「フレイル健診」が義務化されたのは、要介護の“手前”でリスクを判定するためです。
フレイル健診の作成に携わった、桜美林大老年学総合研究所所長の鈴木隆雄教授は、
「フレイル健診といっても、血液検査やレントゲン撮影などの従来の健診項目に加え、医師から15項目の問診を受けるだけです。
問診項目は厚労省主導で作成され、フレイルか否かの判定に役立つ質問が厳選されています」と説明しています。
では、フレイル健診ではどんなことを聞かれるのか。「例えば『半年以内に2〜3?の体重減少はあるか?』という質問があります。
筋肉量が減少していないか、そもそも食事量が減っていないか、などの身体的フレイルの前兆を判定します。
他には『半年前に比べ、たくあん・さきいかなどの固いものが食べにくくなったか?』の質問があります。
これは顎の筋肉や、飲み込む力の衰え(嘔下障害)がないかを判定します。オーラルフレイルの早期発見に役立ち、誤嘸性肺炎の予防になります」と鈴木教授は語っています。聞き慣れない言葉と侮っていると、健康寿命を縮めかねないと記事は結ばれています。
配信 Willmake143
子どもの成長に悪影響
2020年2月8日、読売新聞の医療・介護・健康情報サイト “ヨミドクター” に子どもの「口腔機能発達不全症」についての解説が載っていました。
「食べる」「話す」「呼吸する」といった口の機能は通常、子どもの成長とともに自然に備わっていきます。
でも、食べ物をかんでのみ込む「摂食 嚥下(えんげ) 」がスムーズにできない、話し方が不自然、口呼吸をする、いびきをかくなど、気がかりな症状がみられる子どもたちもいます。こうした症状の総称が口腔機能発達不全症です。
摂食嚥下の異常は
〈1〉離乳期に、発育に応じた硬さや形状の食べ物が与えられなかった
〈2〉永久歯が生えるまでの時期に丸のみの習慣がついた
〈3〉幼児期に様々な硬さや大きさのものを適切に食べてこなかった などが背景にあると考えられます。
口呼吸は、背中が丸まった「猫背」の姿勢で下あごが引っ張られ、口が開きやすくなり起きている可能性があります。タブレット端末と向き合う時間が多いと、猫背になりやすいのではないか、との指摘もあるそうです。
口腔機能の評価項目は全部で17項目あります。大阪大学歯学部(小児歯科学)の仲野和彦教授は「加齢による口腔機能の衰えを防ぐには、子どものうちに対処し、口の機能を底上げすることが大切だ。
心配な症状があれば、早めに小児歯科専門医に相談してほしい」と記事の中で述べていました。
配信 Willmake143
新型肺炎 感染防ぐには
肺炎を引き起こす新型コロナウイルスに感染した人が国内で増えています。発生地の中国以外でも死者が出始め、不安が広まっていますが、感染症対策の基本を徹底することが、予防の近道だと専門家は指摘しています。
手洗い、マスク、免疫力を高める栄養など、すぐに役立つ情報をまとめた記事を2020年2月7日に読売新聞が載せていました。
聖路加国際病院(東京都中央区)感染管理室マネジャーの坂本史衣さんは、「ウイルスが手に付くことを前提に、適切なタイミングで手や指を清潔にすることが現実的な対策です」と指摘しています。
ウイルスから身を守るには、免疫力の維持・向上が欠かせません。カギを握るのは、栄養です。
慈恵医大病院(東京都港区)の管理栄養士・浜裕宣さんは「まずは免疫の働きをつかさどる腸内の環境を整えましょう」と訴えています。
ヨーグルトやみそ、納豆、キムチなどの発酵食品をはじめ、食物繊維が豊富なキノコや雑穀を食事に取り入れ、腸内の善玉菌を増やすことがポイントです。
ビタミンの摂取はウイルスの侵入や増殖の防止につながります。睡眠不足や、不安、疲労などのストレスは、免疫力を低下させます。
免疫カを高める献立例も記事の中で紹介されていました。参考にして下さい。
配信 Willmake143