6月, 2020年
子どもの目が「オンライン疲れ」
2020年6月20日のNHKニュースが、新型コロナウイルスの影響で休校が長期化したことで、子どもたちがオンライン授業でパソコンやスマートフォンなどを長時間見続けることで目の不調を訴えるケースが増えていると伝えていました。
こうした子どもを診療している眼科医は、国などが目を疲れさせないオンライン授業の形を示す必要があると訴えています。
東京の世田谷区眼科医会は、若い世代の患者が増えていないか、会員の医師に対してアンケートを行い、48人から回答を得たそうです。
患者から相談があった症状について複数回答で聞いたところ、16人が長時間にわたってスマートフォンの使用やゲームをしたことによる目の疲労や異常、そして、11人がオンライン授業でパソコンなどを長時間使ったことによる目の疲労や異常を挙げていて、具体的には「7歳の子どもが1日6時間パソコンを見たことで目を痛めた」とか「大学生が講義を一日中見ていたら痛くて目を開いていられなくなった」といった相談があったということです。
子どもの目の状況について、日本小児眼科学会などは今年4月、緊急の提言を出し、距離をとるとともに、長時間使い続けないよう注意を促しています。
多くの学校は再開されましたが、今後、感染の第2波が来ると、再び、オンライン授業が増える可能性もあり、眼科医は子どもの目を守る対策が必要だとしています。
教育現場での情報通信技術の活用について研究している、東京福祉大学の柴田隆史教授は「近視は学童期に発症したり、進行しやすいことが知られていて、近くを見続ける作業が長い時間続くことが近視と関係しているとされる。成長過程にある子どものパソコンやタブレット端末などの使用に関しては十分に配慮する必要があり、適度に休憩を取ることが大切だ」と指摘しています。
柴田教授によると、具体的な対策として、アメリカでは20分間画面を見たあとは20フィート、およそ6メートル以上離れた物を20秒間眺めるという「20ルール」があるということです。
●画面から30センチ以上目を離す ●上や下を向いたままだと目に負荷がかかるため、姿勢を正し、視線と画面が直角に交わるよう、画面の角度を調節する ●タイマーを付け、20ルールを実行する ●寝る2時間前からは使わない―の四つのポイントを家庭で習慣付けることが大切だとニュースは伝えていました。
配信 Willmake143
初夏の健康ドリンク
暑さや湿気で体調をくずしやすいこの季節は、水分や栄養をこまめに補給することが大切です。おいしく飲めて健康的な、簡単ドリンクをNHKテキスト きょうの健康2020年6月号が紹介していました。
配信 Willmake143
免疫力を下げないすごし方
新型コロナウィルスをきっかけに、免疫力を高めておきたいと思う人は多いことでしょう。日経ヘルス2020年6月号に「免疫力を下げないすごし方」という記事が載っていまいした。
疫(病気)を免れると書いて「免疫」。免疫の最初の段階は皮膚や粘膜などの「自然バリア」です。皮膚の皮脂、汗、涙、唾液などが病原体の侵入をブロックしています。
しかし、皮膚、粘膜のちょっとした傷、乾燥などによって病原体は侵入してきます。そのとき活躍するのは、全身の組織で闘ってくれるマクロファージなどの「食細胞」という細胞で、病原体を “食べて” 体内に取り込み、殺す役割を持っています。こうした免疫機能を「自然免疫」と呼んでいるそうです。
そして自然免疫だけで、病原体を抑えきれなかったときに登場するのが「獲得免疫」です。
自然免疫ではかなわない病原体が侵入してきた時、免疫システムは病原体の「抗原」を認識。その抗原を攻撃する抗体を産生して病原体をやっつけます。
免疫システムの維持にはビタミンB群やビタミンDといった栄養素もしっかりと取っておく必要があります。感染症に負けないよう、免疫システムを強化するにはまずバランスのとれた食事で栄養をまんべんなくとることが大事です。
配信 Willmake143
認知症予防にカマンベールチーズを
世界でも類を見ないほどの「超高齢社会」を迎えた日本において、大きな課題の1つとなっているのが認知症です。日本認知症予防学会は、6月14日を「認知症予防の日」と定めて啓発活動を進めています。
「平成29年版高齢社会白書」(内閣府)によれば、認知症を患う高齢者は約462万人(2012年時点)と高齢者人口のおよそ7人に1人の割合です。
今後もその割合は増加し、「2025年には約5人に1人になる」という推計もあります。
認知症の約半数は、アミロイドβなどの特殊なたんぱく質が溜まることで正常な神経細胞を壊して脳を萎縮させる「アルツハイマー型認知症」です。
通常アミロイドβは脳内で働く唯一の免疫細胞ミクログリアによって除去されますが、アミロイドβが大量に沈着したり、ミクログリアが必要以上に働いたりすると脳内に炎症が起こります。
その結果、神経細胞の情報伝達に支障をきたし、認知症になるのです。
認知症予防の関連性で注目されているのが脳神経細胞の発生・成長・維持・再生を促すたんぱく質「BDNF」です。
BDNFは脳内で記憶を司る海馬に多く含まれるほか、血液にも含まれます。
認知症になると血中のBDNF濃度が下がるそうです。
近年、カマンベールチーズが認知症、とくにアルツハイマー型認知症の予防に役立つ可能性があることが分かりました。
桜美林大学、束京都健康長寿医療センター、明治の共同研究グループによる軽度認知障害(MCI)の女性を対象にした試験では、カマンベールチーズを食べることでBDNFが増加することが、世界で初めて確認されました。
カマンベールチーズは赤ワインやビールのおつまみとして食べられること
が多いですが、まろやかなコクがコーヒーや抹茶などにもよく合います。
食べ物ではバゲットやフィセルといったフランスパン、リンゴやトロピカルフルーツとも相性がよく、いろいろな組み合わせも楽しめます。
人生100年時代を自立していきいきと過ごすために、毎日のカマンベールチーズ習慣を始めませんか。
配信 Willmake143
マスク熱中症
新型コロナウィルス感染予防のため、政府が示した「新しい生活様式」にマスクの着用が盛り込まれましたが、夏のマスク着用による健康被害を防ぐことも課題となっていると2020年6月8日の朝日新聞が伝えていました。
熱中症に詳しい帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長は「われわれは、夏場に大勢の人がマスクをつけて過ごすという、全人類が経験したことがない夏を迎えることになる」と指摘しています。
マスクをつけていると、吐いた息がマスクでブロックされたり、呼吸で温まっているマスクを通じて息を吸ったりすることで、体がより熱を持ちやすくなってしまいます。
また、マスクをつけていることで呼吸に負担がかかり、肋間(ろっかん)筋や横隔膜を必要以上に働かせることになり、運動しているのと同じ状態となるため、体温が上がって熱中症のリスクを高めるのだそうです。
6月1日には、三宅先生も所属する日本救急医学会や日本感染症学会など4学会が共同で、「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」を発表しました。
温度調節については、一般には室温が28度、湿度が70%を超える場合はエアコンの使用が勧められていますが、これはあくまで目安で、「日中は自分が最も過ごしやすく、夜はぐっすり眠れる温度を見つけて調整することが大切」だということです。
マスクの着脱も、状況に応じて行い、交通機関や公共施設、スーパーなど屋内でも人の多い場所ではマスクの着用が求められるが、そうした場所では冷房が効いているため、熱中症になるリスクは低いはずです。
注意が必要になるのは、屋外での移動や活動をするときです。人との距離に配慮した上で、マスクを適宜はずして、休憩を取るようにしましょう。
一人暮らしの高齢者など熱中症のリスクが高い人とは、頻繁に連絡を取ることも重要だと、三宅先生は強調します。高齢者は基礎代謝が落ちることで、熱産生量が低くなり、体温も低下するので、気温が高くなっても暑いと感じにくい。
そのため、「猛暑日や熱帯夜が数日続いたときに、気づかぬうちに熱中症になり、救急搬送されるケースが多い」そうです。
そうした事態を避けるためには、例えば、室温が高まる午後2時に電話をして、エアコンをつけているかを尋ね、つけていなければスイッチを入れるように促す。
さらに、2〜3時間後にも再び電話をして、エアコンがついているか確認するくらいの世話焼きが必要だと、三宅先生は話しています。
配信 Willmake143