10月, 2014年
歯の接触グセ
口を大きく開けられない、あごのまわりが痛い、口を開けるとあごが鳴る。こんな症状に悩まされるようになったら、顎関節症が疑われます。
東京医科歯科大学の木野孔司准教授らが顎関節症の患者さん約500人を調べてみると、共通のクセが見つかったということを、2014年10月25 日の朝日新聞が伝えていました。
TCH(Tooth Contacting Habit)と名づけられた、その歯の接触グセは、顎関節症を引き起こす最大の原因になることがわ かってきたそうです。
自分の歯を最後まで残そうと思ったら、ていねいなブラッシングと定期的な口腔ケアにプラスして、無意識のうちに上下の歯をつける上下歯列接触癖を 是正することを記事では、すすめていました。
ぐっと歯を食いしばっても、あごなどに負担がかかるが、長くは続かない。一方、軽い歯の接触は長時間化しやすく、問題はより深刻化しやすいので す。
TCHがあると、口の周囲の筋肉が緊張を続け、関節に力が加わり続けます。また歯や歯周組織にも影響が出てきます。
通常は、疲れを感じた脳が 「歯を離せ」 と命令を出すのですが、TCHの人はこの命令を抑えこんでしまい、脳が命令を出さなくなってしまうのだそうです。
パソコン作業や細かな数字を扱う作業、車の運転や毎日の家事などで一生懸命なときほどTCHは起きやすいのですが、歯をかみしめることは誰にでも あることです。
大切なのは、クセにしないこと。集中して取り組んでいる時こそ、口の脱力を心がけて下さい。
配信 Willmake143
認知症ケア “ユマニチュード”
NHKは、クローズアップ現代、あさイチ、NHKスペシャルといった番組で、「ユマニチュード」と呼ばれるフランス発祥の認知症ケアを紹介して いました。その取材班のひとりである望月 健さんの本 「ユマニチュード 認知症ケア最前線」 が2014年10月10日に出版されています。
認知症の高齢者の暴言・暴力や徘徊などへの対応に悩む医療や介護の現場で、この “ユマニチュード” を導入する動きが広がろうとしているそうです。
NHK解説委員の飯野奈津子さんは 「認知症の人は、生活環境の変化に対応するのが難しいので、病院に入院したりすると混乱して大声を出したり、治療を拒否したりすることが少なくありませ ん。このため、やむをえず身体を拘束したり薬で症状を抑えたりしますが、そうすると、身体の機能が低下し、別の合併症を起こしたりして、入院が長 期化してしまいます。
それによって、以前は自分で歩けた人が寝たきりになって自宅に戻れなくなったりします。病院としても、ベッドが空いていないので、別の救急患者の 受け入れが難しくなったりする問題が起きているのです。
ユマニチュードを取り入れることで、こうした問題の解決につながると期待されている」 と述べています。
ユマニチュードの基本は、相手を見つめること、話しかけること、触れること、できるだけ自分で立つよう支援すること の4つです。
ユマニチュードの研修に力を入れているフランスでは、治療がスムーズにすすみ、薬の量などが減った結果、医療費の削減につながり、職員の離職率も 低下したと報告されているそうです。
このユマニチュードの本は、とてもシンプルでわかりやすいので、家族で介護する人たちにも参考になる部分が多いと思います。
配信 Willmake143
かむかむウォーキング
噛むことを意識した、ユニークな健康イベントに 「アクティブかむかむウォーキング」 というのがあります。NHKエデュケーショナルが主催したこのイベントのねらいは、日常生活で運動習慣にしたい速歩(=アクティブウォーキング)にガム咀 嚼をプラスして、からだの筋肉に刺激を与え、速歩の効果をもっと高めようというものです。
いま世界中の研究者が、中高年の健康対策として、注目しているのが、この 「速歩=アクティブウォーキング」 なのだそうです。
日常生活の中に、1日に合わせて15〜20分程度のアクティブウォーキングを取り入れると生活習慣病の予防効果とともに、全身の筋肉の強化が図れ ることで体力の向上も期待できます。
また、健康だけでなく筋肉が引き締まり、若々しいからだとプロポーションを維持するのにも役立ちます。
ガムをかみながらのアクティブウォーキングについて書かれた本が、2014年10月10日に出版されました。その「かむかむウォーキング」の著者 は、東京歯科大学の石上惠一教授です。
石上さんは千葉県立幕張海浜公園で2013年11月に開催されたアクティブかむかむウォーキング第1回大会の企画の段階からスポーツ歯科の立場で 参画しています。
石上さんは 「ガムなどによる咀嚼は、一定時間続くと大脳皮質の咀嚼運動領を興奮させ、それが隣接する運動領へじわじわと広がり、結果として、全身の骨格筋がアイドリ ング状態のように活性化された状態となる」 と述べています。
散歩や家事に、特保のガムをかむかむすることを取り入れてみてはいかがですか?
配信 Willmake143
筋肉枯れ
20歳から60歳までの40年間に、体の筋肉は15〜20%ほど減っていきます。60歳をすぎるとさらに2倍のスピードで体の筋肉量は減ってい くそうです。
より少ない筋肉で体を支えることになるので疲れやすくなって、運動を敬遠しがちになる。すると動かさない筋肉はさらに衰えて、しまいには 「筋肉枯れ」 の悪循環におちいるから要注意だという記事が、2014年10月4日の日経新聞に載っていました。
筋肉には
1.体を支える
2.体を動かす
3.血液の循環を助ける
4.糖や脂肪を燃焼させ熱をつくる(代謝)などの働きがありますが、筋肉の衰えは、こうした働きの低下を引き起こすと書かれていました。
特に女性の場合は、同体格の男性に比べて、筋肉量が6割程度しかないので、中高年以降に筋肉減少の悪影響が大きくなりやすくなります。筋肉枯れを 防ぎ、代謝の低下をくい止めるために、整形外科医の中村格子先生は、適度な運動の継続と筋肉のもとになるタンパク質や、代謝を促進する食物繊維、 ビタミンB群などの栄養素を意識的に取ることをすすめています。例えば、サンマやサケなどの魚類は良質のタンパク質食品で、キノコやイモ、豆類な どは、食物繊維が豊富です。ショウガは血行を良くして代謝を促し、茶葉に含まれる茶カテキンなどのポリフェノール成分も脂肪の燃焼を助けてくれま す。いくつになっても健康で過ごしていくには、筋肉を健康に保つことが大切です。
できるところから生活習慣を見直し、筋肉枯れを予防して下さい。
配信 Willmake143
老け顔は筋力低下と紫外線で加速する
日経ヘルス2014年10月号の特集記事によれば、最近、自分の顔が 「老けた」 と思いますか?という質問に、91.3%の女性が、そう思う、どちらかといえばそう思うと答えています。
ほうれい線もフェイスラインのたるみも、その一因は、表情筋の萎縮で、国際医療福祉大学三田病院の奥田逸子准教授は、加齢とともに表情筋が薄く弱 くなっていくことが、CT画像から確認できたと特集の中で語っています。
また、この10年間で紫外線量は約5%増加していて、紫外線はシミ・くすみを作るだけでなく、表皮を厚くし、真皮のコラーゲンを分解して、皮膚の 弾力を失わせると東京工科大学の正木 仁教授は述べています。筋力低下と紫外線の要因をケアできれば 「マイナス5歳」 顔になるそうです。
特集では、ベジタリアンのような食生活をしていた頃、ニキビに悩まされた経験をもつ女優・中谷美紀さん(38歳)の3つのヘルスケアを紹介してい ます。
一つ目は、自分に不足していた栄養素、たんぱく質や鉄、亜鉛などをしっかり摂取したり、体調に合わせて、健康な肌にも必要なアミノ酸、ビタミン A、B群、C、抗酸化物質のαリボ酸などを増やして摂取している。
二つ目は、血糖値の上がりやすさを示す食品のGI値にも留意しながら糖質を抑えて、赤身のお肉はきちんと食べている。
三つ目は、会食などが続くと胃腸が疲れ気味になるので、プチ断食をして胃腸を休める。また腸内細菌のバランスをよくするために、乳酸菌は毎日 摂取している とのことです。
最近、見た目は体の健康度合いまで表すと言えそうな研究が続々と発表されていますが、中谷さんが実践している3つは、それにそったものといえま す。
配信 Willmake143