4月, 2022年
NHKガッテン 放送終了
2022年2月2日の放送回をもって、「NHKガッテン!」の放送は終了しました。
27年間で1098回、放送されたそうです。雑誌NHKガッテンの最終号・2022年春号は「逆トレ筋力アップ術」を特集していました。
私たちは、ダンベルを使ってトレーニングをするとき、どうしても“持ち上げる”動作を意識しがちです。
というのも「重いものを持ち上げるほうが、より筋肉が鍛えられる」と思っているからです。
2017年、台湾で「階段の上りと下りでは、どちらのほうが筋力がアップするのか?」について調べる実験が行われました。
肥満気味の女性30人を、6階建てのビルの階段を「上りだけ行う」グループと、「下りだけ行う」グループの2つに分け、(同じ条件下で)週2回からスタートして、回数を増やしながら12週間実施しました。
すると「下りだけ行う」グループのほうが、より高い効果を出すことが判明しました。その理由は、筋肉にかかる負荷と使っている筋力との関係にあります。
通常のトレーニングの場合、筋肉には“縮もうとする力(負荷)”がかかっています。この縮もうとする力によって筋肉は鍛えられているのですが、“逆”のトレーニングの場合、筋肉は“縮もうとしながら伸ばされる状態”に。
すると、単に縮もうとする力よりも強い負荷がかかるため、より筋力がアップすると考えられるのです。
番組では、この“逆”のトレーニングを「逆トレ」と命名しています。逆トレは「きつい運動が苦手」という人にこそおすすめです。“逆”の動きを行うとき、脳は筋肉に「(ダンベルを)下ろす動作は楽だから、使うのは少ない筋肉で十分」という指示を出します。
脳は逆の動作を楽だと思い込んでいるため、筋肉の一部にしか指示を出しません。すると、そのぶん通常のトレ−ニングと比べて酸素消費量が抑えられ、心拍数もあまり上がらないほか、精神的にも楽だと感じるのです。
逆トレは通常のトレーニングと比べて、身体的にも精神的にも楽に感じるのに、より効果的に筋力アップができるということで、現在さまざまな現場で注目されています。
配信 Willmake143
認知症を防ぐカギは「耳」にあり!
年齢とともに「聞こえ」が悪くなる老化現象は誰にでも起こりますが、何も対処せず放っておくと認知症の大きな原因になります。
いま難聴と認知症の関連が注目されているという記事がサンデー毎日2022年4月24日号に載っていました。
2017年7月、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)において、ランセット国際委員会が「難聴」は「高血圧」「肥満」「糖尿病」などとともに認知症の危険因子の1つになると発表しました。さらに20年には「予防可能な40%の認知症を起こす12の要因の中で、難聴は最も大きな危険因子である」という指摘がなされ、ますます難聴と認知症の関連が注目されています。
近年の研究によると、難聴によって、音の刺激や脳に伝えられる情報量が少ない状態になってしまうと、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響していることが明らかになってきているのです。
医学雑誌ランセットに20年に報告されたところでは、認知症患者のうち、40%は予防し得た認知症だったと言われています。
つまり、ならなくていい認知症です。それらのうち、50歳から65歳の中年期の間の難聴に対処せず、放っておいた人たちが8%で最多です」と国立病院機構東京医療センター感覚器センター(耳鼻咽喉科)の神崎晶医師が指摘しています。
難聴は、小さな声が聞きづらい「軽度難聴」と「中等度難聴」(普通の会話が聞きづらい)、「高度難聴」(普通の会話が聞き取れない)、耳元で話されても聞き取れない「重度難聴」に分けられます。
アメリカ・ジョンズ・ホプキンス大のLin医師らの報告(11年)では、このうち軽度の難聴の人が放置した場合、認知症を発症するリスクは、標準的な聴覚の人の約2倍、中等度の難聴の人は約3倍、重度の難聴の人は約5倍にもなるといいます。
要は中年期である45歳から60歳の難聴を予防することが、認知症予防の重要なカギとなるということです。
つまり、難聴を放置せず、対処することが、認知症予防にもつながるということです。
配信 Willmake143
大腸の健康を守る
かつては便を作り排泄するだけの器官と思われていた「大腸」。現在は健康・長寿に関わる器官として注目され、大腸の状態を良好に保つ「腸活」に関心が高まっていると2022年4月16日の日経新聞が伝えていました。
大腸は小腸で消化・吸収された後に半液状となった食べ物のカスから水分やミネラルを吸収。
便を生成して一時的にためた後、肛門へと送り排せつするのが主な働きです。大腸には干種類・100兆個以上の細菌が生息しているといわれています。
この腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が進んできたことで、大腸が健康・長寿にとって重要な器官であることが分かってきたそうです。
腸内フローラを研究する京都府立医科大学大学院医学研究科の内藤裕二教授は「100歳以上の百寿者の割合が高い京都・丹後地域の高齢者の腸内細菌を調べたところ、ビフィズス菌や酪酸産生菌の比率が高く、腸内フローラの多様性がみられた」と話しています。
大腸を良好な状態に保つには、食事で『シンバイオティクス』を取り入れることが大切だそうです。
シンバイオティクスは有用な菌を摂取する「プロバイオティクス」と、有用菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などをとる「プレバイオティクス」を組み合わせたものです。
プロバイオティクスではビフィズス菌入りヨーグルトが代表的です。
大腸の機能が衰えた状態を「大腸劣化」と呼び、様々な不調を招くリスクがあると警鐘を嗚らしています。
食事や生活習慣を見直して、大腸劣化の予防・改善に取り組む際は、ただ良いとされるものを実践するだけでなく、その結果、自分の体がどう反応したかを確認しながら取り入れていくことが重要だと記事には書いてありました。
配信 Willmake143
「ピンピン、ひらり」という老い方
諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生が、2022年2月8日に「徹子の部屋」(テレビ朝日)に出演した際、黒柳徹子さんに「73歳、今の目標は?」と質問されたそうです。2022年4月5日に出版された鎌田先生の新著「ピンピン、ひらり」のまえがきで鎌田先生の答えが紹介されていました。
ぼくはこう答えた。
「80歳でもイラクの難民キャンプに診察に行ける筋肉を維持したい。90歳まで生きられたら冬にはスキーをしたい。でも、いちばんの目標はPPHです。PPH、知っていますか?」
徹子さんは、頭の上に「?」を浮かべて身を乗り出してきた。
「ピンピン、ひらりです。死ぬ間際までピンピン元気に生きて、ひらりと逝きたいと思っています」
ここで番組は終わったが、話は続いた。徹子さんのお母さん朝さんは、2006年に95歳で亡くなったが、間際までやりたいことを続けていたという。そして、「じゃあね」と言って、旅立った。いいなあと思った。
まさに見事なピンピン、ひらりだ。
では、どうしたらひらりと逝けるのか、その前に訪れる長い「老い」を、どうやってピンピン生きるのか。そもそも、老いを生きる目的は何なのか。
本音を言うと、ぼく自身も年なんか取りたくないと思っていた。
人生には必ずしもピンピン生きられないときがある。「ピンピン」と「ひらり」の間にあるはずの「老い」を、ぼくは無意識のうちに考えないようにしてきたが、避けたいと思っていた「老い」も、視点を変えてみると見え方が違ってきた。
子育てを終え、仕事の第一線から降りることは、「役割を失うこと」ではなく、「自由になること」。
体や心の働きが哀えていくということは、「未知なる自分と出会うこと」でもあるし、多くの人に助けられ「他者とかかわる機会が増えること」でもある。
老いには、「死を身近に感じながら生きる」という特権もある。
そう、死を意識するからこそ、生きていることの尊さがわかるのだ。
老いという“下り坂”は、美しい景色も見せてくれる。“上り坂”は上ることに一所懸命で、自分の足元しか見えていないことが多い。
でも、下り坂は違う。眼下には、これまで上ってきた道のりや、すそのの広大な景色が広がっている。その美しい景色は人生のご褒美といってもいい。
「いいことも、嫌なこともあったが、今思えばおもしろい人生だった。もうすぐ自分は死ぬけれど、嫌じゃないんだ。死ぬのもまんざらではないと思えるようになったよ」と長年、農業をやってきた高齢の男性が、緩和ケア病棟で亡くなる前にそう言った。
この男性も、黒柳さんのお母さんも、老いを完全燃焼したからこそ、ひらりと逝くことができたのだろう。
本書は、鎌田先生の体験から得た老いの受け止め方や、ピンピン元気なときを延ばす生活習慣、老いの価値の見つけ方について書いてあります。自由な発想で老いを楽しむ人たちも紹介されています。
配信 Willmake143
鼻うがい
日経ヘルス2022年春号は鼻うがいについての記事を載せていました。
上咽頭は左右の鼻から吸った空気が合流する場所。鼻の奥、喉の上部に位置するため、口を開けても見ることはできません。
上咽頭の表面は繊毛上皮で覆われ、空気中のウイルスや細菌などの異物を捉えて体外へ押し流す粘液を分泌しています。
さらに、繊毛上皮には免疫細胞と呼ばれるリンパ球が多数存在し、異物の侵入を防いでいるそうです。
自律神経や免疫とも密接なかかわりがある上咽頭は、健康の土台を担う場所ですが、上咽頭は炎症が起こりやすい部位だけに、炎症の悪化を防ぎ、慢性化しないようにすることが大切です。
「『温める』『洗う』のセルフケアが有効だということです。「洗う」ケアには、上咽頭をピンポイントで洗浄する「上咽頭洗い」と、上咽頭を含めた鼻腔全体を洗う「鼻うがい」の2つがあります。
いずれも洗浄液は水ではなく、人肌の温度に温めた生理食塩水で行うのがポイントです。水は浸透圧が低いため、鼻に入れるとツーンとした刺激や痛みをもたらすことがあるからです。
生理食塩水には、ウイルスの増殖を抑える効果が確認されています。
一定の濃度の生理食塩水が細胞に浸透すると、ナトリウムの作用によって次亜塩素酸を生成。また細胞内に浸透したナトリウムを細胞外に排出するために、ウイルスの複製に必要なエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)が使われて枯渇することで、ウイルス増殖の抑制につながります。
洗浄用ボトルは市販のものを利用すると簡便です。
配信 Willmake143