咀嚼嚥下機能が大切な理由

2015-05-30

咀嚼嚥下機能が大切な理由
咀嚼嚥下機能が大切な理由女子栄養大学出版部が発行している月刊誌 「栄養と料理」 は、今年で80周年を迎えます。
その2015年6月号に、“咀嚼嚥下機能がたいせつな理由は?” という文章が載っていました。著者は、歯科医師ではなく、東京大学大学院社会予防疫学分野教授の佐々木敏先生です。

咀嚼とは、厳密には、単純に食べ物を噛むことだけでなく、唾液を分泌させて食べ物と混ぜ合わせ、飲み込みやすい形と大きさにすることまで含みま す。また、食べ物を飲みくだし、胃まで運ぶことを嚥下と呼びます。
佐々木先生によれば、咀嚼困難の有無によって、1年後の生存率に1割近い差がついたヨーロッパの研究があるそうです。

では、咀嚼嚥下の機能に応じて、ふさわしいかたさの食事をとれば、健康を保てるのでしょうか?という質問に対し、佐々木先生は、要介護度、生活自 立度、食事の形状と健康状態の変化との関連を調べた研究では、食事の形状が健康を大きくそこなうことに最も強く関連していると答えています。

「 “咀嚼嚥下機能が落ちたらやわらかい食事を” だけでは、高齢者の栄養問題は解決できそうにありません。エネルギーと栄養素はそろっていても、食べられなければ、そして、食べてくださらなければ栄養に ならないからです。
そのためには、咀嚼嚥下機能を落とさないための前向きな予防対策が求められています。その一つ、咀嚼機能を保つために欠かせないのが “噛める歯” です」 というのが、佐々木先生の結論です。
噛める歯を保とうと歯科医師ではない東京大学大学院医学系研究科の先生が言っていることが、注目に値します。

配信 Willmake143

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